作業中に車両に足などをひかれた

足などを車にひかれて怪我をした」という事故は、きわめて頻繁に発生し、重症化してしまうケースも枚挙にいとまがありません。
建設業や製造業、運送業などの現場で特に顕著によく見られる事故の態様です。

 

クレーン車などの作業車両の後方進行の誘導中に運転手の操作ミスによってひかれた。

倉庫内でトラックの荷台から荷降ろし作業中に、対向車線を走行中の車にひかれた。

 

上記のように、重量のある作業車両のタイヤなどに「足をひかれる」ことで重大な怪我を負う事故が後を絶たないという現状があります。

 

 

会社、元請けに対する損害賠償が可能なケースも

前述の通り、重症化しやすい事故ですから、相応の補償(数百万円から数千万円)がなされることが少なくありません。

また、労働現場の管理責任について

安全配慮義務違反(社員が安全で健康に働くことが出来るように配慮する義務)」や

不法行為責任(事故の原因が企業の活動そのものを原因とするような場合や、労働現場の建物・設備に危険があった場合などに認められる責任)」

などを根拠として会社、元請けに対して多額の損害賠償請求が認められるケースも多いのです。

 

 

しかしながら、このことを知らずに、労災保険からの給付のみを受け取って終えてしまっている方が多いのもまた事実です。

 

 

他の従業員の失敗・過失により怪我を負った賠償はどうなる?

「同じ現場で作業していた作業車両にひかれた」というケースはとても多くあります。

このような場合、責任は誰にあるのでしょうか。

 

 

勿論、「ひかれた」原因を作った作業員個人に落ち度があります。

 

しかし、労災事故の現場における「責任」は、使用者(=会社)に対して追及可能で、請求を行えば会社などの使用者から損害賠償が行われることがほとんどなのです。

 

 

これを「使用者責任」(民法715条)と呼び、会社に対して損害賠償を行う際の根拠となります。

「ひかれた」事故については車両が事故の原因となっているため交通事故として扱った場合には、相手方の車両の損害賠償保険から支払いを受けることが出来る場合がありますが、労働災害として労災給付請求や損害賠償の請求した方が有利な場合もあります。

 

 

また、相手方の車両が任意保険に加入していない場合には、運転手に損害賠償請求をしても、実際には支払いを受けらない場合も多くあります。
まずは、弁護士にご相談ください。